2020年度 さ~くる年間テーマ『 Respect - Restart 』
2020年度 さ~くる 年間テーマ
“ spect ” Re〈 start
ひとつひとつの “ときや出逢い” を重ね、つなげて、「さ~くる」は今秋で発足から15周年の佳節を迎えます。そんな「あたりまえ ではなく ありがとう」な今年度のテーマは、“Respect - Restart” です。
“Respect”には、「尊重する・敬意をはらう・尊敬する・関心を持つ・たいせつにする」などの意味があり、「re(再び)」と「spect(見る)」が語源です。「二度見る」つまり「軽く見ない」ということから、上記のような意味になったとされています。
英語で “Respect” が使われる例を見ると、自然環境・人権・異なる文化・感情などに対してがあり、このようなものは「上下」や「好き嫌い」や「比較をされる」ようなものではなく、【 “Respect” する対象が「優れている」「すごい」「良いと思う」から “Respect” するという基準ではない】ことがポイントです。
つまり、金子みすゞさんの詩の『土』にもあるように、「どんな “土(人も含めた“存在”)” 」でも要らないものではなく、「自他の存在そのもの」がたいせつという“実感”を持った上で、「自分が他の人からどう思われているか」や「他の人と比べて」などに囚われないこと。そして、そのような「自分を不自由にしている “柵” 」から出られれば、「自ら努力やトライをしている人―打たれる/踏まれる土」の姿や生き方もまっすぐに “Respect” できるし、「打たれたり踏まれたりしているという“自己アピール”をしなくても大丈夫」という安心感をお互いに持つこともできるということです。
また、そのような感覚が同じく金子みすゞさんの詩『土と草』の「土」のような生き方につながると思います。それは“自己犠牲”などではなく、“ほかの人も 自分も いっしょに「しあわせ」”ということです。
“Respect” の対義語は “Disrespect” で、日本語でも省略して「ディスる」という言葉が使われることがあるように、「バカにする・軽視する・無礼・相手の存在を無視する」などの意味があります。周囲の人と “共通のてき(敵)” をつくって誰か・何かを攻撃や否定して結束するような関係は、その時はよくても、いつ・どこで自分自身が「ディスられる対象」になるかもしれないという “不安” も内在しています。そうではなく、自他を “Respect” するあたたかな「目・視点」を持ち・入れることにより“共通のもくてき(目的)”やたいせつにしたい存在・ことで結びついていける「 “安心と信頼” を基にした かかわり や つながり」を創り、ひろげていきたいと思っています。
前述のように15周年を迎えるにあたり、メンバー・保護者にアンケートのご協力をお願いしました。そもそも、さ~くるは「色々な人の声」を受けて生まれ・育ってきた“運動体”で、多様な「WantsやNeeds」に共感しながらその「本質的な実現」を目指していくことが “Mission” です。
この15年の間に、社会の状況やリソースもメンバーや保護者が求めるものも “変化” してきていることを感じます。一方で、「ずっと変わらないたいせつなもの」もあるということを、メンバー・保護者・リーダーたちの声や姿から実感もしています。
それは、「真ん中はいつでも “人” 」だということです。
だからこそ、出逢い・つながる “みんな” に “Respect” を持ちながら「変わり続ける人や環境」に応じ、「しなやかに、かつ誠実に、“Response(応答・反応)” し続けること」が肝要です。
谷川俊太郎さんの詩『生きる』に【生きているということ いま生きているということ いま遠くで犬が吠えるということ いま地球が廻っているということ いまどこかで産声があがるということ いまどこかで兵士が傷つくということ いまぶらんこがゆれているということ いまいまがすぎてゆくこと】という一節があります。
目の前の人はもちろん、このセカイのさまざまな状況や課題も「他人事」と思わずに『 “いましかないいま” をたいせつにして「その状況での “最適” 」を感じながら行動を起こしていく』という「さ~くる」の根本的なスタンスを再確認・共有し、これからの15年~その先の「明日」につながる “Restart” となる年にしていきたいと思います。
そして、「生きる」こと自体が「日々 “Restart” し続けること」であるからこそ、「長い道程」の中で「エネルギー切れ」にならないよう、また、そうなってしまっても大丈夫なよう“ひとりひとりに応じた充電”ができる “Connect(つながり・「接続」できる場や機会)” を創っていきましょう☆
2020.04.03. 吉田伸吾(アボジ)